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矯正治療の流れ
1.カウンセリング
矯正治療ってどんなことをするのだろう?自分の歯並びって治るのだろうか?
皆さん、いろいろ疑問を抱えてらっしゃいます。まずはご相談ください。
どのように治療していくのか、どんな装置を使用していくのか、そしてどんな歯並びを目指して処置を行っていくのか、ご相談の時間を取らせていただいています。
治療の目的
<はじめに矯正治療の目的を十分理解しましょう>
・矯正歯科治療をどんな目的のためのものに行いたいのか
・どこまで治療することが目標なのか
治療の範囲
・全ての歯を並べる治療を行うのか方がいいのか。
・部分だけの治療を行う方がいいのか。
抜歯
・歯を抜いて処置した方がいいのか。
・どの歯を何本抜くのか。
・将来抜く可能性が出てくる歯はないか(親しらずを含めて)。
治療の費用
・治療費はどのようなシステムになっているのか。
・矯正以外に治療費が必要になるのか。
治療の期間
・実際に固定式の装置がついているのはどれくらいか。
・通院間隔はどのくらいか。
治療の装置
・どのような装置を使用するのか。
様々な疑問を一つずつ解決していきましょう。もちろん、カウンセリングの際に矯正治療を始めるかどうかを最終決定していただく必要はありません。
なお、ゆっくりご相談の時間を散らせていただきたく存じますので、ご来院前にご予約をお願いいたしています。
2.術前検査・診断
ここからが、矯正治療の入り口になります。現在の歯並びをはじめ、顎の骨の状態、関節の状態などの検査を行います。
レントゲンや、型取りした模型を用いて分析を行い、どのように処置をさせていただくかの治療計画を立てていきます。
骨の形状に問題はないか、顎の位置に歪みが生じていないか、3次元的に無理のない土台となる顎にとって負担にならない歯並びを得るためにどのような処置方法がのぞましいかを
決定していきます。
3.顎位の補正と口腔内環境の整備
約90%以上の方が、顎の位置に何らかの異常を潜在的に抱えています。家を建てる際に、地盤を整えずに建築を始める人はいません。
歯並びを家に例えるなら、地盤は顎になります。この顎の位置をきちっと整えずに、歯を動かし始めるのは砂地に家を建てようとしている状態やもしれません。
「スプリント」という取り外し式の装置で、顎の位置の矯正をまず行っていきます。
取り外し式のスプリントを入れている期間中に、固定式の装置で歯を動かし始める前に行っておいた方がいい、虫歯や歯周病の処置、またブラッシングの指導など
を行っていきます。
4.歯の移動
治療計画に沿って、歯を動かしていきます。動くのが早い人、遅い人、個人差はありますし、動かす必要のある距離によって期間に差はありますが、概ね固定式の装置がついているのは2~3年です(目立ちにくい歯と同じような色の装置の場合、若干治療期間が延びる傾向があります)。
5.矯正装置の撤去
治療結果を確認するためにレントゲン検査を行い、見た目だけではなく3次元的に良好な位置に並んでいることを確認したのち、矯正装置を撤去し、歯の表面をピカピカに磨きあげます。
6.保定期間(後戻り防止の期間)
動かし終えた歯は、元の位置に戻ろうという力が一定期間働いています。
矯正装置の撤去後、きれいになったその歯ならびを安定させ、維持するために保定装置(リテーナー)を使用していただきます。
ほとんどの場合は、取り外し式の保定装置となります。
その後、6か月年ごとの定期検診を行っていきます。
矯正治療の経験の有無に関わらず、歯並びや咬み合わせは加齢変化により一生涯変化し続けます。リテーナーを使用し定期検診を続けることは、アンチエイジングにもつながります。
当院では固定式装置の撤去後2年間、きっちりと経過観察を行います。
7.一般的な矯正治療のリスクと副作用
① 最初は 矯正装置による不快感、痛み等 があります 。 数日間 1 、 2 週間 で慣れることが多いです 。
② 歯の動き方には 個人差 があります。そのため、 予想された 治療期間が 延長する可能性が あります。
③ 装置の使用状況 、顎間ゴム の使用 状況 、 定期的な通院等、 矯正治療には 患者 さんの協力が非常に重要であり、それらが治療結果や治療期間に影響します。
④ 治療中は 、 装置が付いているため歯が磨き にくくなります。むし歯や歯周病のリスクが高まりますので、丁寧に 磨いたり、定期的なメンテナンスを受けたりすることが重要です 。
また、歯が動くと隠れていたむし歯が見えるようになることもあります。
⑤ 歯を動かすことにより 歯根が吸収 して短くなることがあります。また、歯ぐきがやせて下がることがあります。
⑥ ごくまれに歯が骨と癒着 していて歯が動かないことがあります。
⑦ ごくまれに歯を動かすことで神経が障害 を受けて壊死することがあります。
⑧ 治療途中に金属 等のアレルギー症状が出ることがあります。
⑨ 治療中に「顎関節で音が鳴る、 あごが 痛い、口が開けにくい」などの顎関節症状が出ることがあります。
⑩ 様々な問題により、当初予定した治療計画を変更する可能性があります。
⑪ 歯の形を修正したり、咬み合わせの微調整を行ったりする 可能性 があります。
⑫ 矯正装置を誤飲する可能性があります。
⑬ 装置を外す時に、エナメル質に微小な亀裂が入る可能性や、かぶせ物(補綴物)の一部が破損する可能性 が あります。
⑭ 装置が外れた後、 保定装置を指示通り使用しないと後戻りが生じる可能性が高くなります。
⑮ 装置が外れた後、現在の咬み合わせに合った状態のかぶせ物(補綴物)やむし歯の治療(修復物)などをやりなおす可能性があります。
⑯ あごの成長発育によりかみ合わせや歯並びが変化する可能性があります。
⑰ 治療後に親知らずが生えて、凸凹が生じる可能性があります。加齢や歯周病等により歯を支えている骨がやせるとかみ合わせや歯並びが変化することがあります。
その場合、 再治療等が必要になることがあります。
⑱ 矯正歯科治療は、一度始めると元の状態に戻すことは難しくなります 。