予防歯科
歯科医院は「歯が痛くなってから行くところ」とお考えではないですか?しかし、欧米の予防歯科先進国では、歯科医院は「虫歯や歯周病にならないため、健康で美しい歯のお手入れに利用するところ」という考えが多数を占めています。予防をしっかりとしていくことによって、70歳での平均残存歯数に大きな差が出ています。日本では、数十年前から「8020運動」が展開されています。これは「80歳になって、自身の歯を20本残そう」という目標を掲げた運動です。1999年の第8回歯科疾患実態調査では80歳で残っている歯の平均本数は8本、20本以上残っている人は15%に過ぎませんでしたが、2006年の調査では、平均残存本数9.8本、20本以上残っている人は25%を超えました。
サメなどとは違い、人間の歯は一度失うと二度と生えてくることはありません。ずっと健康な自分の歯で美味しくごはんを食べたい、これは多くの人の願いです。是非、今から予防歯科を始めましょう。
保険適応について
健康保険の基本的な考え方は「疾患に対する処置」です。よって人間ドックなど「予防」を主たる目的とした医療行為には保険治療を適応することができません。
歯石の沈着による歯ぐきの腫れなど、疾患が認められる場合、保険治療の範囲で歯石の除去などを行いますし、除去後は同様に保険適応のクリーニングを行います。
保険は厳格な決まりがあり、現行では2か月以上をあけないと、再度のクリーニングは認められません。
予防歯科の目的は「お口の中の健康を生涯維持し、美しい歯を育てる」ことです。
小さなお子様であれば、虫歯が一本もないお口の環境を作ることが可能ですし、成人の場合、治療した部分の再発予防、口臭、歯の汚れを防ぐこ とができます。
残念ながら、毎日きちんと歯磨きをしているつもりでも、セルフケアでは、虫歯の原因となるバイオフィルムやお茶、コーヒー、タバコなどの汚れを完全に落とすことはできません。
正しいセルフケアに加え、定期的なプロのケアがあなたの将来の口腔環境を守り、自然で美しい歯を育てるのです。
PMTC
当院では大人の予防歯科として「PMTC」を行っております。PMTCとは「Professional Mechanical Tooth Cleaning」の頭文字をとったもので、「専用の機材を使用したプロによる歯のクリーニング」です。歯科衛生士や歯科医が様々な機材やフッ素入りペーストなどを使って、虫歯や歯周病の原因である「バイオフィルム(ばい菌のかたまり)」を除去します。
歯の表面は、日々のお食事などによりどうしても着色していく傾向があります。またどんなに頑張って磨いても100%の汚れを常に除去するのは、現実的に難しいものです。わずかに残った磨き残しが、石灰化し歯石となって沈着していきます。